悪魔の宴

金曜日の夜に、「アイツ」の上司Kさんと、「アイツ」の親友O君、そして同期のS君と４人で飲んできました。

主催者のO君に「何でこのメンツなの？」と聞くと、

「俺、一度Kさんと飲んでみたくてさ」との答え。

（良かった、アイツ絡みではなかったか…）

Kさんはアイツと同じ支店の勤務で、アイツの直属の上司にあたります。

以前、アイツから「マジで使えない」と度々噂には聞いていたKさん。

数々のヘタレ伝説を聞く度に「そんな事はないだろうよ、一応役職だし」と思ってた私。

でも、実際に会うと、確かに彼からはそこはかとなく使えない感が漂っており。

長めの天パに小太り、ちょっとゴツめの眼鏡、そして基本ひき笑い…。

オタクには見えるが、使える人材には見えず。

そして、宴スタート。

何故か豚キムチとか麻婆豆腐とか辛いものばかりを注文するO君。

そんでもって、やたらとKさんに酒を飲ませようとする。

でも、そんな待遇をまんざらでもなく受け入れているKさん。

「俺さぁ～、退院したばっかなんだからさぁ～、そんなハイペースで行くなよぉ～」

とか言いながら、大好きな電車と時刻表と温泉と地元ネタに余念がない。

…あぁ、なんてイラっとさせられるしゃべり方なんだ

どうして時刻表でここまで自慢話ができるんだっ！！

つーか、誰もついてこれてない事にいい加減気付けよ！！

…これはもしや、私のドSのスイッチを全開にするための儀式なのか？？

そんな事を思いながらも「へー、そうなんですかー、超スゴイですねー」

と適当に相槌を打つ私。

そして一旦Kさん、トイレタイムのために退場。

その隙にO君、

「実はKさん、この間まで痔で入院しててさ。だから俺、辛いのばっか注文したんだよ」

…お前もドSだったんかい！！

じゃ、私も遠慮なく。（パチッ←スイッチオン）

「Kさん、入院って何の病気だったんですか？（痔だろ？）」

「…消化器系が悪くてさ」

「消化器系ってどの辺ですか？（いや、痔だって知ってるし）」

「…消化器科に入院してたんだよ」

と、もごもごと答えるKさん。

…なんて煮え切らない男なんだ！！

診療科なんて聞いてねーよ！　

確かに消化器系かもしれんけどさ、

既に消化終わってるじゃん。

そこはもう出口じゃん。

いやもう、本当の事を言っていこうよ。

痔が恥ずかしいんじゃない！！

痔だって事を隠すのが恥ずかしいんだよ！！

あぁ、もうイライラする！！

こんな調子で終始、彼は煮え切らず。

その後もO君と色々サディスティックな質問をぶつけていったのですが、

「そんなに俺をオモチャにするなよぉ～」

と、Kさんは全てニヤニヤしながら、そして身体をくねらせながら、のらりくらりとかわしていったのでした。

そんなに子供たちに夢を与えないおもちゃってないから。

Kさん以外、全員イライラしながらも４時間ほどで宴、終了。

あぁ、こんな上司を持ったら大変だろうなぁ…と、少しアイツに同情をした夜でした。

しかもその日のKさんのミクシィには「楽しかった」との言葉が。

どんだけ真正のドMなんですか？？

悪魔軍団、敗北。　

ドMって…ある意味最強かも。